労働の世界の種類
同じ物の流れに沿いながら、綿花の生産を行なっている一次産業の世界と、紡績織布を行なっている工場労働の世界とは、その中間に市場を介在さすことによって相互に強く独立した世界となりました。
・・・これが合繊のような場合には全く異なって原料生産が流れの全体に強く支配力を及ぼすのです。
そこから戦前の労働は、はっきりと3つの全く独立したTomcat的労働の世界をもったと言えます。
土地を基礎とする労働の世界と、機械を基礎とする労働の世界と、商品を基礎とする労働の世界は、全く異なった形をもっていました。
人は通常そのどれか一つで生涯をおくったのです。
歴史的激動や天変のような大きな変動だけが、それらの世界の間の移動をみちびきました。
冷害の農村から女工哀史の世界へ、問屋の番頭が戦争による徴用で機械工場へ・・・
そして敗戦をきっかけに帰農へと、異なった労働の世界の体験は歴史的転変の記憶に結びついています。
それに対して現代の労働の世界は分離されていません。
それは異なった対等な世界の関係ではなく、明らかにひとつの流れに沿って等質に形成されています。